家を購入するときにまずやるべきことは?家を買う前に知っておきたいポイントを解説
2023年4月8日
結婚や出産を機に、マイホームの購入を検討し始める方も多いのではないでしょうか。
ただ、マイホームの購入を検討しているといっても、予算の決め方がわからない、一戸建てやマンションなどの選択肢があり、選び方がわからないなど疑問や不安が多いものでしょう。また、住宅ローンを組んで家を購入すべきか、賃貸物件に住み続けるべきかを悩む方も少なくありません。
そこで今回は、家を購入するときに知っておくべきことや、やるべきこと、さらに家を買うまでの流れについて解説していきます。将来的にマイホームの購入を検討しているという方は、ぜひ最後までご覧ください。
住宅購入世帯の平均年齢と購入予算の相場は?
「一般的に何歳で家を購入するのだろう?」
「住宅購入の予算はどれくらい必要なのだろう?」
など、家を購入するときに、住宅購入世帯の平均年齢や購入予算の相場を意識しておきたい方も多いでしょう。
平均的な水準を知っておけば、家を購入するタイミングが早いのか、遅いのかということや、予算や十分なのか、不足しているのかなどを把握しやすくなります。
住宅購入世帯の平均年齢
マイホームを購入した世帯主の平均年齢は以下の通りです。
物件種別 | 購入時の平均年齢 |
注文住宅 | 40.0歳 |
建売住宅 | 37.2歳 |
新築マンション | 39.5歳 |
中古マンション | 43.6歳 |
中古一戸建て | 43.2歳 |
新築住宅の場合は30代半ばから後半、中古物件の場合は40代前半が平均的な購入年齢といえます。また、住宅を購入する年齢は住宅ローンの返済期間にも大きく関係します。
物件種別 | 住宅ローン返済期間 |
注文住宅(建物のみ) | 32.9年 |
注文住宅(土地+建物) | 34.2年 |
建売住宅 | 34.1年 |
新築マンション | 32.0年 |
中古マンション | 29.2年 |
中古一戸建て | 29.9年 |
購入年齢の若い新築の場合は32~35年ローンが一般的であるのに対し、購入年齢が高い中古物件だと住宅の返済期間も短くなっているのがわかるでしょう。この結果から、住宅の購入年齢が高くなるほどローンの返済期間が短くなり、70歳を迎えるまでに完済する計算で購入している方が多いとわかります。
住宅購入世帯の予算相場
家を購入している方の予算についても気になるところでしょう。物件種別ごとの平均購入資金は以下の通りです。
物件種別 | 購入時の平均年齢 |
注文住宅 | 5,112万円 |
建売住宅 | 4,250万円 |
新築マンション | 4,929万円 |
中古マンション | 2,959万円 |
中古一戸建て | 2,990万円 |
新築と中古では購入資金に2,000万円ほどの差があり、最もお金がかかるのは注文住宅を購入するケースだとわかります。新築のマイホーム購入を検討するなら、4,000~5,000万円程度の予算を検討していく必要があります。
住宅購入にはどのような意味がある?持ち家と賃貸の違い
結婚や出産をきっかけに住宅を購入する方が多いとはいえ、そもそも「住宅を購入すべきか迷っている」「賃貸でいいのでは?」と考えている方も多いでしょう。
家は人生で最も高額な買い物だと言われることもあり、後悔のない選択にするためにも、家を購入する意味を正しく理解しておく必要があります。また、住宅購入の意味とあわせて、持ち家と賃貸との違いはなにかを把握しておくことが重要です。
ここでは、持ち家と賃貸の違いを比較しながら、住宅購入の意味を解説します。
資産性
住宅購入のポイントの一つは、住宅ローンを完済すれば資産になることでしょう。
賃貸物件だと、所有者はあくまでオーナーであり、老後まで住み続けても自分のものになるわけではありません。一方、住宅は所有者が自分となるため、住宅ローンを支払いさえ終われば売ったり、建て替えたりすることも可能です。
子どもに相続する選択肢もあるほか、将来的に誰も住む予定がないなら賃貸物件にしたり、売って現金化したりすることもできます。
将来住居費にかかる負担
家を購入する場合、住宅ローンさえ完済すれば、住居費にかかる月々の負担を大幅に軽減できるのも賃貸物件との違いです。
退職後、年金がもらえるとはいえ会社員のときよりも収入が減るケースが多いでしょう。そこで、定年後のことを考えて家を購入して住宅ローンを完済しておくと、金銭的負担が軽減されることに加え、家がある安心感を持って老後の生活を送れます。
間取りや設備、内装などの自由度
持ち家は賃貸物件とは異なり、間取りや設備の自由度が高いのもポイントの一つです。
とくに注文住宅の場合、間取りや設備はもちろん、内装が外装、建具まで住宅のあらゆる要素を自由に決められるため、家族構成やライフスタイルに合わせて完全オーダーメイドの家を完成させられます。
また、マンションなどの集合住宅でも、購入すると内装リフォームなどはできるケースが多いので、自由度の高さは購入と賃貸の大きな違いといえるでしょう。
賃貸物件の場合、好みの内装に変更することも可能ですが、退去するときに原状回復しなければならないので自由度は低いといえます。
住み替えの気軽さ
住宅を購入すると、賃貸物件のように気軽に住み替えを行うことはできません。
基本的に数十年以上同じところに住み続けることが想定されるため、将来のライフスタイルや仕事、子育て環境の変化を想定して慎重に住む場所を決める必要があります。そのため、転勤や転職の可能性がある状態で住宅を購入すると、単身赴任になることが想定されるでしょう。
転勤の可能性があるものの、子どもが独立するまでは家族全員で一緒に過ごしたいという場合は、退職まで住み替えやすい賃貸物件に住むのも選択肢の一つです。
物件種別の違いを把握しておこう
住宅購入と賃貸の違いについて解説しましたが、物件種別も迷いやすいポイントではないでしょうか。
ここでは、以下の物件種別の違いについて解説します。
- 一戸建てをマンションの違い
- 注文住宅を建売住宅の違い
一戸建てとマンションの違い
一戸建てとマンションの主な違いは以下の通りです。
一戸建て | マンション | |
家づくりの自由度 | 自由度が高い(とくに注文住宅の場合)
オリジナリティあふれる住まいを目指せる |
好みの内装に変更することも可能だが、一戸建ての比べると自由度が低い
|
広さ | 土地によるが、マンションより広いケースが多い
駐車スペースや庭など、居住スペース以外の空間も確保しやすい |
一戸建ての比べるとコンパクトなケースが多く、アウトドア用品や寝具などの保管に困るケースがある |
設備 | 自由に選択可能 | すでに導入されていることが大半
共用設備が充実している |
セキュリティ | 自分でセキュリティを強化させる必要がある | 充実したセキュリティ対策が取られている |
利便性 | 郊外に建てるケースが多いので、車を中心とした生活になる
駅近の好立地はむずかしい |
駅近の好立地に住める可能性が高い
都会に住める反面、車の利用は不便に感じることがある、駐車スペースの確保がむずかしい |
日当たり・風通り | 自由度の高いプランを立てられるので、採光・通気が期待できる | 高層階なら日当たり・風通りがよい |
リフォーム | 自由度が高い | 制約が多い |
メンテナンス | 将来を見据えて費用を準備しておく必要がある
自分でメンテナンス時期を見極める必要がある |
管理費や修繕積立費がかかる
自己管理は不要 |
このように、一戸建てとマンションにはさまざまな違いがあり、むしろ共通点がないほど違うポイントが多いので、どちらがよいかは価値観によって異なります。
「広さ」「家づくり・生活の自由度」を求めるなら一戸建て、「利便性」「セキュリティ」「メンテナンスの楽さ」を求めるならマンションが適しているといえるでしょう。生活において何を重要視したいかをしっかりと検討し、価値観やライフスタイル合った選択をすることで後悔のない暮らしができます。
注文住宅と建売住宅の違い
自然を感じながら暮らしたい、庭でBBQをしたい、多少不便でも広い家に住みたいといった希望があり、マンションよりも一戸建ての購入を希望している方もいるでしょう。
一戸建ての購入を決めたとはいえ、注文住宅か建売住宅のどちらを購入すべきか悩むケースも少なくありません。
注文住宅と建売住宅の主な違いは以下の通りです。
注文住宅 | 建売住宅 | |
費用 | プランを進めていくうちにあれこれ追加したくなり、結果的に高額になるケースが多い | 同じエリアに一気に建築するケースが多く、建築資材を大量発注するのでコストを抑えやすい |
価格のわかりやすさ | 予算を決めることはできるが、詳細なプランが決定するまで金額がわからない | 販売価格が明示されているのでわかりやすい |
家づくりの自由度 | 非常に自由度が高い | 注文住宅に比べると自由度は低い
軽微な変更なら可能な場合もある |
リフォーム | 将来を見据えて設計できるのでリフォームしやすい | 将来のリフォームを前提としていない |
完成イメージのしやすさ | プランニングの段階では実物を見られないので、イメージで計画するしかない
イメージをつかむために、立体模型や3Dシミュレーションを用いることがある |
すでに建物が完成している建売住宅なら、完成イメージは一目瞭然(建設中の建売住宅を購入するケースもある) |
入居までにかかる時間 | 検討から入居まで1年ほどかかるケースが多い | すでに建物が完成している建売住宅なら、1~2ヶ月で入居できる可能性が高い |
土地 | 土地を所有していない場合、土地探しからスタートしなければならない | 土地を探す必要がない |
施工過程 | 着工から順を追って確認できる | すでに建物が完成している建売住宅は、隠れた部分をチェックできない |
住宅ローン | 手間と時間がかかる | 完成・入居時に一括して借りるので、手間と時間がかかりにくい |
このように、同じ一戸建てでも注文住宅と建売住宅ではさまざまな違いがあります。
注文住宅は何も決まっていない状態からプランニングするので、間取りや内装、外装など住宅のあらゆる要素を施主が自由に決められるのが魅力です。ただ、自由度が高い分、あれこれこだわるうちに費用が高額になりやすいことに加え、完成までに時間と手間がかかるといった注意点もあります。
一方、建売住宅はすでに住宅の大半が完成しているので、価格がわかりやすく、入居までスピーディーであることがポイントです。しかし、軽微な変更しかできない、すでに建物が完成している場合は基礎や構造躯体を見られないといった懸念点もあります。
一戸建てを購入すると決めたら、注文住宅と建売住宅のどちらが理想の暮らしを実現しやすいか、違いを比較しながら検討するとよいでしょう。
家の購入を検討するときに、まずやるべきこと
持ち家を賃貸の違い、物件区別のよる違いを把握して方向性が決まったら、いよいよ購入を進めていきます。
ただ、具体的に購入を進めていく前に、やるべきことが4つあります。
- 購入可能金額(予算)を把握する
- 頭金として必要な金額も把握しておく
- 購入のタイミングを検討する
購入可能金額(予算)を把握する
家を買うときは、資金計画が切っても切り離せない重要なポイントなります。間取りや設備のことを考える前に、「購入可能金額はいくらか」を把握し、予算を意識しながら希望を叶えていくことが大切です。
資金計画で基本となるのが、自己資金と住宅ローンを合わせて、購入可能金額がいくらになるのか検討することです。
・自己資金:貯蓄と、親・親戚などからもらえる金額を合計する
・住宅ローン:年収や月々の返済額から、借入希望額を算出する
なお、シミュレーションサイトなどで出てくる住宅ローンの借入可能額を参考にするのはおすすめしません。というのも、借入可能額は年収をベースとして計算された借入できる金額の上限であり、ライフスタイルや家族構成、収入状況の変化などが考慮されているわけではないからです。
同じ年収の家庭でも、現状の暮らしにかかっている支出、さらに将来発生する支出が異なります。たとえば、子どもの数が将来増えたり、転職したりすると収入・支出のバランスが変わる可能性があるでしょう。
そのため、借入可能額を参考に、上限まで借りるのではなく、将来を見据えて無理なく返済できる住宅ローン借入額はいくらかを計算するようにしましょう。
なお、注文住宅の購入で土地探しからスタートする場合、総予算に対して、以下のような予算配分で購入を検討するのが一般的です。
- 土地購入費:予算の30%程度
- 建物にかける費用:予算の60%程度
- 諸費用:10%程度
6,000万円の予算なら、土地購入費に1,800万円、建物購入費に3,600万円、諸費用が600万円ということになります。
頭金として必要な金額も把握しておく
住宅を購入するときは、土地・物件の取得費用に加え、税金や印紙代、手数料などの諸費用が発生します。
注文住宅を購入するときの諸費用について、詳しい内容は以下で解説しています。
注文住宅で必要な「諸費用」とは?内訳と費用相場を知って家づくりをしよう!
住宅ローンはあくまで物件を取得するために借りられるお金なので、基本的に諸費用は自己負担で支払わなければなりません。諸費用の割合は物件種別によって異なります。
物件種別 | 諸費用の割合 |
新築マンション | 3~5% |
建売住宅 | 6~8% |
注文住宅 | 10~12% |
たとえば、物件価格が2,500万円の注文住宅を購入する場合、そのうちの10%にあたる250万円が諸費用として必要になるのです。
諸費用はあくまで一例ですが、引っ越しや新居用の家具家電にも自己資金が必要です。住宅ローンが組めるとはいえ、一切自己資金を使うことなく購入を進めるのはむずかしいため、頭金として必要な金額を把握したうえで計画を進めるようにしましょう。
購入のタイミングを検討する
家の購入はほとんどの方が初めての経験になるので、「本当に今でいいのか?」と購入時期について不安を感じることもあるでしょう。
また、「頭金を貯めてからにしよう」「なんとなく2年後にしよう」と考える方も一定数いますが、住宅購入を先延ばしにすること、同時に住宅ローンの完済時期を先送りしていることになります。また、人気の土地や物件がすぐに買い手が見つかるので、早めに動き出すことで損することはありません。
家を買うことについてきちんと検討し、必要な費用について把握・準備できていれば、家を買いたいと感じたときが購入時期といえます。
家を買う手順も把握しておこう
家の購入を検討するときに、まずやるべきことを押さえたら、いよいよ具体的に購入を進めていくステップとなります。
ただ、家を購入するのが初めての場合、混乱しないよう住宅購入の基本的な流れを確認しておくのがおすすめです。
注文住宅の基本的な購入の流れは以下の通りです。
1. 注文住宅のイメージを決める
2. 資金計画を立てる
3. 土地探し
4. 施工業者探し
5. プラン・見積もりの提示と比較
6. 住宅ローン仮審査
7. 土地購入と地盤調査
8. 工事請負契約(本契約)の締結
9. 建築プランの詳細打ち合わせ、プランの確定
10. 建築確認申請、住宅ローン本審査
11. 着工
12. 竣工、引き渡し
より詳しい注文住宅を購入するときの基本的な流れについては、以下で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
注文住宅を購入するときの流れを解説!期間や注意点も知って理想の住まいを手に入れよう
まとめ
今回は家を購入するときにまずやるべきことについて解説しました。
家の購入を検討するときは、平均的な購入資金や住宅ローンの平均返済期間を把握すること、さらに持ち家と賃貸の違いや物件種別ごとの違いなどを正しく理解することが大切です。
そして、住まいに求めるものを明確にしたうえで、無理のない資金計画のもと計画を進めるようにしましょう。
家は一度購入すると気軽に引っ越すことはできません。購入後に後悔することのないよう、この記事を参考に家の購入を検討してみてください。
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